大切なモノ、末長く続かしむるモノの必需品・・・瓦

建仁寺・・・国宝や数々の重要文化財を有する日本最古の禅宗本山寺院(写真は法堂 こちらも数年内に瓦葺き替え予定)
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相楽園でのイベントプロジェクトを共に成し遂げたチーム㈱大佛の皆さんが現在瓦葺き工事中につき、ちょっとした打合せがあったので昨日お邪魔してきました^^
こちらは現在、平成26年(2014年)栄西禅師八百年大遠諱に向けて方丈(重要文化財)はじめ、数棟を大改修中・・・。
お邪魔したのは三門「望闕楼」
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日本人として、素晴らしく遣り甲斐のある仕事が展開されています。
こうした文化財はもちろんのことですが、大切なモノ、また末長く保たれるべきモノには、瓦は当たり前のように必需品である。
建築とは・・・大切なモノ、また末長く保たれるべきモノではなかったのでしょうか?

とにかく建仁寺には初めて訪れました・・・ということで‘勉強’と言う名の‘観光’です^^
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創建800年記念、小泉淳作画伯の筆による法堂の「双龍図」は、畳108畳にも及ぶ壮大な水墨画です。
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その双龍に見守られるこの法堂内部の土間には、歴史の深みと包容力が滲み出る敷き瓦が。
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価値を伝える努力が必要です。価値を理解する姿勢が必要です。価値を見出す見識が必要です。
勉強になったなどと浅はかに語るには、あまりにもエネルギーが強すぎて・・・。
五感に感じたモノとコトすべてに感謝して、今後も邁進するのみです。

昨日はその後、芦屋の社寺屋根葺き替え現場へと出向き打合せでした。
帰りが遅くなったのですが、そこでもまた勉強になりました。
もちろんそこでも大切なモノ、末長く続かしむるモノの必需品として当たり前のように瓦が採用されています。
その様子はまた後日綴ります。

社寺建築と一般建築・・・時代と価値観の変遷、文化水準の浮き沈みがあれど、その本質は同じであるべきであり、普遍・不変の価値として脈々と息づくものとしての瓦であってほしいものです。

淡路環境未来島構想に関連して、瓦師として提言したことを綴ります。(少し長くなります)

木・土・紙・石の家プロジェクトで達成するエネルギーコントロール
このたびの東北大震災により、一つのエネルギー革命が起きようとしています。
それは代替自然エネルギーへの一大転換ではありません。
国家レベルでの需給バランスを考えると、それらは開発コストも含め費用対効果が十分ではありません。
もちろんそれら自然エネルギーの実用化に向けたさらなる開発は当然必要です。
ただこの危機に直面し、再生のシナリオにおいて日本人(人類)はどういった選択肢を見出すかということに注目しつつ、
瓦師として一つの提言をさせていただきます。
現在享受できているすべての豊かさを同等以上に維持すべきという発想のもとでは、エネルギーを生み出すことありきでのみ議論が展開されますが、発想を転換し、いかにしてエネルギー消費を縮小できるかという観点のもと、大いなる歴史に学び、新しい議論を展開すべき時です。

約680年前に書かれた吉田兼好による徒然草 第五十五段・・・
家の作りやうは、夏をむねとすべし。
冬は、いかなる所にも住まる。暑き比わろき住居は、堪え難き事なり。
(家の作りようは、夏をむねとするべきである。冬は、いかなる所にも住める。暑き頃わるい住居は、堪へ難い事だ。)
高温多湿なここ日本において、建築における一つのあるべき姿を説いたものですが、
時代は変わろうと決して色褪せることなく、普遍の真理をもって現代に警鐘を鳴らします。
現代の建築は一に高気密・・・環境のコントロールを前提に作られており、ただそれはエアコントロール等、必要以上のエネルギーを要してこそ快適(人工的)な住環境を維持出来ているにすぎず、それが木と土で出来た建築であれば、この必要以上のエネルギー消費を大きく縮小できることを、歴史が明確に証明しています。

大災害のたび、自然をコントロールしているつもりの人類の驕りを思い知らされます。
ただ日本人として、この日本列島と運命を共にする覚悟に変わりがなければ、再生のシナリオをどう描くか・・・。景観、文化等、この地にしかない価値たちをすべて捨て去ることなく、元来具わる美しい精神性が生みだす、美しい国を取り戻すことを期待します。

以上の提言の根源は、この以下の事実に尽きます・・・
今の自宅・・・土壁+瓦屋根、軒の出は深く・・・・・今年も日中エアコンをつけることはなかったです(*^_^*)
ただ古き良きモノをそのまま踏襲するのではなく、現代感性に見合う手法で取り入れていけばいいんです。
例えばGALLERY 土坐 -tsuchiza-の土壁・・・良い悪いは別として幅広い世代に好評です^^
自然との共生を目指して・・・いいカタチで再生のシナリオが描かれていけばいいですね。
こんな一介の田舎もの瓦師の提言に共鳴してもらえる現代人が一人でもいることを期待します。
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by miraikoubou-gajin | 2011-09-07 20:21 | 瓦人
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