南棟・北棟ともに国の登録有形文化財(1999年12月登録)である島津創業記念資料館。
昨日出張ついでに、屋根改修一期工事の進捗を確認してきました。
軒の三寸一文字は、できる限り既存瓦を再施工・・・なかなか苦労しそうですね(^^ゞ
和瓦のメリットは、古い瓦の差し替え等においても、そのデザインの普遍性ゆえ、日本においていついつまでも変わらぬ建材としてあり続ける既製品で対応でき、また既製品になくとも経験と技術をもって復元等で柔軟に対応できることにあります。
新建材はじめ形状・色・素材等が多種に及ぶ建材だと、将来的なモデルチェンジや廃版等によりこうした時代をまたぐ建築には不向きです。
一見多様なニーズに対応できているようで、実は本質的な意味においては個性の発揮ではないんです。
本当の意味での個性とは、地に足付いたアイデンティティーに基づく確固たるベースがあってこそ無意識に具わるかけがえのないものであり、さらにそれは永く続く普遍的なものであるべきだと思います。ここ日本における絶対的・基本的な個性とはまさしく『和』です。
こうしてたった一枚といえど互換性をもってローコストで修復できる和瓦という素材としての本物たちは、まさしく本当の意味でのエコ建材です。
瓦業界も次の新たな時代をまたげるよう、ますます頑張らないといけませんね(^^ゞ