瓦の見積りを受けていたこともあり、現場・現状確認に立ち寄ってみました・・・脇町 うだつの町並み。
懐古の情や渇望の念、はたまた凛とした緊張感までもを感じさせる秩序ある美しい町並みは、まるで変化と進化を拒絶し、沈黙を保つかのごとく、時が止まったような空気感に包まれていました。
そんな一角で、剥製を作り展示されていたという建物が、このたび解体・新築されようとしています。
大工さんと随分話が出来ました・・・瓦に関してもすべて手降ろしし、打音検査等により全数強度確認し、おそらく70~80%以上の古瓦が再使用されることになりそうです。
文化財建築では一般的なことですが、改めて土から生まれた瓦のポテンシャルは素晴らしいです。
話の中で大工さんが感動してくれた瓦のマメ知識・・・「こちらの庇部分は南と東向きの屋根なので、風雨の吹込みを考慮して、通常とは反対に山が配された「左桟瓦」が使われてるんですよ。昔の建築や職人の仕事は、粋なはからいが一杯でしょ・・・。」「え~!?そんなことまったく気付かんかった!!」
知恵と歴史と文化の詰まった日本建築・・・残すべきであり、伝えるべきであり、古き良きという枕詞だけが空しく響くのではなく、多様に活かされた新しき良き建築をこそ創りだすべきである。